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これも仁和寺の法師

(原文)これも仁和寺の法師、童の法師にならんとする名残とて、おのおの遊ぶことありけるに、酔ひて興に入るあまり、傍らなる足鼎を取りて、頭にかづきたれば、つまるやうにするを、鼻をおし平めて、顔をさし入れて舞ひ出でたるに、満座興に入ること限りなし。
(語句) (現代語訳)これも仁和寺の僧の話であるが、ある寺の少年が僧になろうとするときのお別れに宴を開いた。僧たちがめいめいに芸をして、遊ぶことがあったが、ある僧が酔って、調子にのりすぎて、そばにあった足鼎をとって、頭にかぶったところ、鼻がつかえるようであったので、鼻をおさえて平らにして、顔を差し込んで、舞い出たところ、そこの座の者はみなこの上なくおもしろがった。
(原文) しばしかなでてのち、抜かんとするに、おほかた抜かれず。
(語句) (現代語訳)しばらく舞ってから、抜こうとするが、全く抜けない。
(原文)酒宴ことさめて、いかがはせんと惑ひけり。
(語句) (現代語訳)宴もしらけてどうしたらよいだろうかとうろたえた。
(原文)とかくすれば、首のまはり欠けて、血垂り、ただ腫れに腫れみちて、息もつまりければ、
(語句) (現代文)あれこれやって、首のまわりが傷ついて、血がたれ、ただもうむやみに腫れ上がって、息もつまってきたので