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公世の二位のせうとに

「公世の二位のせうとに」の原文と語句と現代語訳です。比較的易しいので語句も少なめです。

(原文)
 公世の二位のせうとに、良覚僧正と聞こえしは、きはめて腹あしき人なりけり。坊の傍らに、大きなる榎の木のありければ、人、「榎の木の僧正」とぞ言ひける。この名、しかるべからずとて、かの木を切られにけり。その根のありければ、「きりくひの僧正」と言ひけり。いよいよ腹立ちて、きりくひを掘り捨てたりければ、その跡、大きなる堀にてありければ、「堀池の僧正」とぞ言ひける。
(語句)
①せうと(兄)②聞こゆ(世に知られる)③腹あしき(怒りっぽい)④坊(僧の住んでいる所)⑤きりくひ(切り株)
(現代語訳)
 公世の二位の兄で、良覚僧正と申し上げた方は、非常に怒りっぽい人であったそうだ。(この僧正の)僧坊のそばに、大きな榎の木があったので、人々は、「榎の木の僧正」と呼んでいたそうだ。(僧は)このあだ名は、ふさわしくないと言って、その木を切ってしまわれたそうだ。その根が残っていたので、(世間の人々は)「きりくいの僧正」と言ったそうだ。(僧は)ますます腹を立てて、切り株を掘り捨ててしまったところ、その跡が、大きな堀(のよう)であったので、(世間の人々は)「堀池の僧正」と言ったそうだ。                      (第四十五段)